なんとなくの日常

テレビの火が3時間以上燃え続けていることを
1、2、3…
数えて気付いた

脱衣所は洗剤の匂い
買い置きの歯ブラシ
1、2、3…
みんな違う色

弁護士の言う通りに語るだけの声
でも、今日は洗濯物がよく乾きそうだ

冷蔵庫にはきみの缶ビールが
1、2、3、4、5、6、7、8…

開けたままの窓
飛行機雲が空を割って
引き裂いた青と青を
暑熱と公園 子どもの笑い声
ただ戻れないことだけは確か

なんとなく過ぎていく
なんとなくの日常
不意に落ちた水滴が涙だと識って

なんとなく嫌気がさした
なんとなくの日常
全てが落日に染まる

商店街の手芸屋は
無機質なシャッターを降ろしている

アスファルトの駐車場
去年の夏はまだ砂利道だったのに

1、2、3…

きみも変わっていく
この街と同じように
濃いグレーの背広
時計もよく似合う

懐かしいと叫んでも
涙なんてもう出ないよ
この心も変わってしまった

なんとなく過ぎていく
なんとなくの日常
不意に落ちた水滴が涙だと識って

なんとなく嫌気がさした
なんとなくの日常
全てが落日に染まる

1、2、3…